ネコちゃんの健康管理healthcare-cat
ネコちゃんとの暮らしで気を付けていただきたいことをお伝えしています。
高齢期に気をつけたい暮らしの情報については「シニア科」のページをご覧ください。
ネコちゃんの予防
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1.ワクチン接種
当院では3種類の病気を予防できるワクチンをお勧めしています。お外で飼われていたり、お散歩に出歩くことが好きなネコちゃんは感染する病気の数も多くなります。
3種 5種 猫ウイルス性鼻気管炎 ○ ○ 猫カリシウイルス感染症 ○ ○ 猫汎白血球減少症 ○ ○ 猫クラミジア感染症 ― ○ 猫白血病ウィルス感染症 ― ○
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2.ノミ・ダニ、寄生虫予防
ネコちゃんにノミ・ダニが寄生すると皮膚炎や病気を引き起こします。また、ネコちゃんに付いたノミ・ダニは飼主様も刺します。「今ついていないから」ではなくて、ノミダニが付く前に「付かないように」してあげてください。
条虫、回虫 寄生虫予などの寄生虫からネコちゃんと飼い主さんを守るために、駆除薬の定期的な投与(定期駆虫)が必要です。
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3.フィラリア予防
春になり温かくなってくると、蚊が出てきます。フィラリア症は蚊が媒介して起こる犬ではメジャーな病気ですが、実はネコちゃんも感染することがあります。ネコちゃんは感染すると、治療方法がないのが現状です。予防すれば、ほぼ100%予防できる病気でもあります。予防できる病気は未然に防いで、ネコちゃんを健康でいさせてあげてください。
お手入れ習慣を身につけましょう
ネコちゃんの中には身体を触られることを嫌がる子も多くいます。
若い頃からスキンシップを兼ねてお手入れなどを行う中で、全身を触れられることに慣れさせていきましょう。
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1.全身に異常がないかチェック
スキンシップを兼ねて全身を触って細かくチェックしたり、普段の行動を観察して異常がないか確認をしましょう。
- 元気(動き、歩き方、鳴き方など)
- 排尿(回数、色)
- 食欲(食べる量)
- 被毛や皮膚の異常(傷、痛み、しこり)
- 飲水(水を飲む量)
- 耳、目、鼻の状態の観察
- 排便(回数・状態)
- 口の中のにおい(嫌な臭いは異常のサイン)
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2.全身のブラッシング
毛球症(もうきゅうしょう)とは毛づくろいをしたときに少しずつ飲み込んだ毛が胃で塊になり、胃や腸でさまざまな症状を起こす病気です。毛は体内で消化されません。
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3.耳掃除は控えめに
ご家庭での耳掃除はコットンを使って表面を優しくふく程度にしてあげてください。
綿棒を使用すると傷がついてしまったり、痛がって嫌がるようになります。
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4.痛みのサインについて
猫は症状を隠そうとしがちです。また、痛みを行動で訴えることがあります。性格により異なりますが、『いつもと違う』と感じたら、その他の症状や原因となるものがないかよく観察し、ご相談ください。
- 落ち着かない
- 呼吸が早い
- 攻撃的になる
- 隠れる
- うずくまる
- 食欲がなくなる
- 特定の部位をしきりに舐める
ネコちゃんにお勧めしている検査
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1.ウイルス検査
ウイルス検査では、① 猫免疫不全ウイルス(FIV) ② 猫白血病ウイルス(Felv)という2つの感染症を調べることができます。感染の有無を調べておくことをお勧めしています。採血をするだけで検査が可能ですので、小さな子猫でも安心して検査を受けていただけます。潜伏期間があるため、2回検査することをお勧めします。
- 外に遊びに行く子(少しでも)
- 過去の飼育環境がわからない子
- 昔、外猫だった子
- 多頭飼いの猫ちゃん達の中に1頭でもこれらに当てはまる子がいる場合
- お母さん猫が外猫の子
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2.尿検査
特にネコちゃんは泌尿器系の病気にかかりやすい動物です。そのため最低年に1回は検査を行っていただきたいと考えています。尿検査では、腎臓・肝臓・胆嚢などの内臓機能、糖尿病の状態、結石の有無についても調べることができます。ネコちゃんの健康状態を知る、最も簡単な方法ともいえます。
尿検査を行う際はできる限り新鮮な尿が必要です。病院へお持ちいただく際は直前に採れた尿をご持参ください。尿検査で分かること ①尿PH値 尿路結石・細菌感染 など ②尿ビリルビン 肝臓疾患・胆道疾患・黄疸 など ③尿糖 糖尿病 など ④尿せん血 膀胱炎・尿道炎・尿路結石・前立腺炎・腎炎 など ⑤尿タンパク 腎臓疾患・尿路の異常 など ⑥尿比重 腎臓疾患・尿崩症 など
健康診断について
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1.血液検査
健康診断の基本となる検査です。肝臓・腎臓などの内臓機能の状態や、心臓疾患、コレステロール値、糖尿病の状態など様々な健康状態を調べることができます。
10歳程度までは年1回、11歳を超えてくると年2回以上の検査をお勧めしています。
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2.画像診断(レントゲン検査・エコー検査など)
血液検査だけでは分からない身体の状態を詳しく調べることができます。
特に当院で専門的に行っている循環器の診療ではエコー検査などを用いて、心臓などの循環器の病気の早期発見などにも取組んでいます。
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3.便検査
便検査では、消化器系の状態や異常、細菌の状態や寄生虫の有無などを調べることができます。
便の見た目をチェックし、色・臭い・形・形状を調べたり、顕微鏡で詳細に調べることもあります。
尿検査と同じように簡単にネコちゃんの健康状態を知ることができる検査です。
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4.その他の検査
その他にも、心電図検査、内視鏡検査、歯科の検診、眼科の検診、皮膚の健診など、目的に応じた様々な健診を行っております。当院には循環器、腫瘍、整形外科など専門的な知識を有する獣医師も在籍していますので、ネコちゃんの症状などによって最適な検査もご提案させていただきます。
病院への連れて行き方
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キャリーバッグに入れてお連れ下さい
逃走防止・猫ちゃんの過ごしやすさを考慮して、キャリーバッグに入れてご来院ください。
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怒る子は網目が荒い洗濯ネットを活用しましょう
キャリーが苦手、怒る子は、洗濯ネット(サイズが大きい網目が荒いもの)に入れてお連れ下さい。
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バスでお越しの場合
猫ちゃんは怖がりな生き物です。
目隠しの毛布などをかけてあげましょう。
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お車でお越しの場合
車内で安全に過ごせるように、キャリーバッグはシートベルトでしっかり固定をしましょう。写真のようにすると安心です。
日常生活で気を付けたいこと
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1.日々の健康チェック
大事なネコちゃんにはいつまでも健康でいて欲しいと思いますよね?
些細な不調のサインを見逃さないためにも普段の状態をきちんと把握することを心がけましょう。■毎日見てあげて欲しい項目■
食欲 食欲はあるか?お水は飲んでいるか?など摂取量や様子などをチェックしましょう。 行動 体をなめ続けるのはストレスかもしれません。いつもと違う仕草をしていないかをチェックしましょう。 排泄 色、臭い、量、回数、固さ、など健康な時の状態を知っておくことが大切です。 ボディチェック しこりや脱毛はないか?触った時に痛みを訴えないか?など異変がないかをチェックしましょう。
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2.肥満防止
まるまるとしているネコちゃんは可愛いですが、肥満が引き起こす病気が多いのも現実です。
肥満は病気のリスクとなることも十分に理解していただき、ダイエットに励んでいただくことをお勧めします。■肥満の原因を考えよう■
ご飯・
おやつのあげすぎネコちゃんの体は、年齢や状態によって必要な栄養素が異なります。そのため、適正量を超える栄養分は脂肪になって体内に蓄積されやすくなります 運動不足 室内飼いのネコちゃんは特に注意が必要です。
室内に運動用の器具を置いてあげたり、飼主さんと遊んだり、日常的に体を動かせられる環境を用意してあげることが大切です。その他 遺伝や病気によって太りやすい体質も子もいます。また、避妊・去勢手術の後は基礎代謝が減って太りやすくなることもあります。
体質や状況に合わせた食事をあげることも検討してあげましょう。
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3.迷子にならないように
室内で飼っているネコちゃんでも、脱走して迷子になるおそれもあるなど、ネコちゃんが迷子になってしまうことがあります。迷子になってしまった時の対策も行うことをお勧めします。
迷子対策として
できること・首輪などに迷子札を付けておきましょう。
・マイクロチップ をお勧めしています。迷子になって
しまったら【いなくなった場所を探す】
室内飼いのネコちゃんが迷子になった場合は、知らない場所におびえ、物陰に隠れていることが多いようです。まずは近くの物陰をしっかりと探してあげましょう。
また、探す時はキャリーバッグやネコちゃんの好きな食べ物などを持っていくと良いでしょう。
【関係機関に連絡する】
周辺を探して見つからない場合には、どこかに保護されていることも考えられます。
地域の保健所や動物愛護センター、警察などに問合せしてみましょう。
ネコちゃんは室内飼育をお勧めします
ネコちゃんが屋外に出てしまうと、色々な危険があります。できる限りお外に行かないようにしてあげましょう。
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交通事故や落下事故
車との接触事故や高所からの転落事故では、出血や骨折、内臓の損傷など、強いダメージを受けることが多いです。
一命をとりとめても、下半身不随になってしまうこともあります。特に発情期のオス猫は、落ち着きをなくしていることも多いため、交通事故にあうリスクも高まります。
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他のネコちゃんとのけんかによる外傷
ネコちゃんは縄張りを持つ動物です。自分の縄張りに侵入してきたネコと激しいけんかをしてしまうこともしばしばあります。ネコちゃんの爪や歯はするどくとがっていますので、外からは小さな傷に見えても、奥深くまで細菌が入り込んでおり、大きく腫れて発熱してしまうこともあります。その際にウイルスが体内に侵入し、病気にかかることがあります。
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寄生虫や感染症(ノミ・ダニ・ウイルス等)
ノミやダニは、草むらや他のネコから移ります。それらは強いかゆみを引き起こすだけでなく、瓜実条虫のようなおなかに寄生する虫を媒介することもあります。また、人にも感染してかゆみを生じ、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のような重篤な病気を媒介する危険もあります。
感染ネコちゃんとの接触やけんかの咬み傷から、以下のようなウイルス性の病気にかかるリスクが高まります。
猫白血病
ウイルス感染症
(FeLV)白血病や腫瘍の原因となるだけでなく、免疫力を低下させ日和見感染を引き起こします。全てのネコが発病するわけではありませんが、発病すると数ヶ月から数年で死に至ります。 猫免疫不全
ウイルス感染症
(FIV)猫エイズとも呼ばれ、感染初期には発熱、下痢、リンパの腫れなどの軽い症状を示し、その後は無症状の期間が数年に渡って続きます。そのまま寿命を全うできることもありますが、日和見感染や腫瘍を生じるエイズ期を迎えると死に至ります。 猫汎白血球
減少症
(FPLV)嘔吐、下痢、発熱等の症状を起こし、さらに白血球の減少により、他の疾患をひきおこしやすくなります。特に子猫で致死率の高い病気です。 猫ウイルス性
鼻気管炎
(FVR)猫風邪を起こすウイルスのひとつで、くしゃみ、鼻水、よだれ、目やに等の症状を起こします。症状が重い場合には、発熱、食欲不振により死亡することもあります。また、回復後も体の中に残り、抵抗力が弱まると再発します。 猫カリシウイルス
感染症
(FCV)猫風邪を起こすウイルスのひとつで、猫ウイルス性鼻気管炎と同様の症状に加え、舌などの口の中に潰瘍を生じて痛みをおこすことがあります。
お家での環境作り
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運動できる・探検できる環境を作りましょう
キャットタワーを設置する、上下の運動ができるように、お家の中で一番高い所、棚やタンスの上に乗れるようにしてあげるなど運動できる環境を作ってあげましょう。また、一番高い所にお気に入りの毛布や座布団、寝床を置くなどしてあげるのも効果的です。
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“狩り”の遊びを入れましょう
ネズミのおもちゃなどで、“狩り”の遊びをさせてあげると、ネコちゃんのストレスが解消されます。危険なことがない生活は、実はネコちゃんは快適すぎて暇、「狩り」という本能が満たされずストレスが溜まってイライラし、時には問題行動を引き起こす原因となることがあります。”狩り“遊びをさせて、ネコちゃんの狩猟本能をくすぐって満足させてあげましょう。
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爪とぎの置き方を工夫してみましょう
爪の外側の房をはがすのが主な目的ですが、そのほかにもマーキングの役割もあります。そのため、ネコちゃんがよく通る道や目立つ所に爪とぎを設置することをお勧めします。初めは少し多めにそして垂直面に爪とぎを設置すると、して欲しくない所で爪とぎされるのを防ぐこともできます。
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お水は常に新鮮な状態に
お水は常に新鮮な水をいつでも好きな時に飲めるように、ネコちゃんがよくくつろぐ所の近くに置いてください。
特に冬場は水分摂取量が減少する傾向にあり、その結果で尿石などの病気になってしまうこともあります。
出来る限り水分補給を上手にできる環境を整えてあげてください。